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柴田龍宏先生の論文がCirculation Reportsにアクセプトされました!

2025.11.14

<タイトル>

Design and Framework of JROAD-DPC ― A Japanese Nationwide Registry Linking Diagnosis Procedure Combination Data With Cardiovascular Quality Metrics ―

 

<雑誌名>

Circulation Reports

 

<論文要旨>

JROAD-DPCは、日本循環器学会(JCS)が主導し、全国の医療機関から収集されるDPCデータと、JROAD調査(循環器専門施設への年次アンケート)を患者レベルで連結させた、国内最大級の循環器疾患レジストリです。JROADが施設単位の情報を収集してきたのに対し、JROAD-DPCでは、DPCデータと連結することで入院患者一人ひとりの診断、治療、転帰までを追跡できることが特徴です。本論文では、このJROAD-DPCの概要と研究基盤としての特徴を包括的に紹介するデザインペーパーとして報告しています。

本論文では、2012年度から2022年度までのデータを分析しています。期間中、JROAD-DPCに参加する施設数は610施設から860施設へ増加し、登録患者数は2倍以上に増加しました。入院患者の中央値年齢は73歳から75歳へ上昇し、90歳以上の患者数は約4倍に増加するなど、高齢化の進行が明らかになりました。疾患別では、心不全の入院患者数が一貫して増加し続けており、心房細動・心房粗動による入院も割合・絶対数ともに増加傾向が認められました。治療面では、心房細動・心房粗動に対するカテーテルアブレーション件数が5倍以上に増加して6万4千件を超え、急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈インターベンションも4万6千件を超えるなど、日本の循環器診療の実態とその変遷を具体的な数字で示しています。

JROAD-DPCは現在、年間150万件以上の循環器関連入院をカバーしており、診断名や手技に加えて、重症度分類、入退院先、在院日数、医療費などの情報を体系的に蓄積しています。一方で、詳細な検査データや画像情報、死因の詳細などは含まれておらず、今後のデータ連結やレジストリ高度化に向けた課題も整理しています。

このように、JROAD-DPCは大規模かつ経時的なデータ分析を可能にし、日本の循環器診療の「リアルワールド」の姿を克明に映し出す貴重な研究基盤です。本データベースから得られるエビデンスは、今後の日本の循環器疾患対策や医療政策の評価・改善に大きく貢献するものと期待されます。

 

本論文の執筆にあたり、ご指導いただいた福本教授ならびに日本循環器学会IT/Database部会の委員の先生方に、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circrep/advpub/0/advpub_CR-25-0217/_article

 

柴田龍宏先生、おめでとうございます!

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