柴田龍宏先生の論文がEuropean Journal of Preventive Cardiologyにアクセプトされました!
2025.9.29
<タイトル>
Peripheral vs. Central Arterial Stiffness and Cardiovascular Events in Older Adults: The Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study
<雑誌名>
European Journal of Preventive Cardiology
<論文要旨>
中心動脈スティフネスの指標である頸動脈-大腿動脈間脈波伝播速度(cfPWV)は、心血管疾患(CVD)の独立した予測因子として確立されています。しかし、末梢動脈スティフネスを反映する大腿動脈-足首間脈波伝播速度(faPWV)の予後予測能については、これまで十分に検証されていませんでした。
本研究では、米国の代表的なコホートであるARIC研究(Atherosclerosis Risk in Communities study)に参加する、ベースライン時にCVD既往のない高齢者3,402名(平均年齢74.8歳)を対象とし、中央値9.0年の追跡期間におけるCVDイベント(冠動脈疾患・心不全・脳卒中の複合)との関連を解析し、cfPWVおよびfaPWVの予後予測能を比較検討しました。
結果、既報通りcfPWVはCVDイベントと正の相関を示した一方、faPWVはCVDイベントと逆相関の傾向を示しました。さらに、中心動脈と末梢動脈のスティフネスのバランスを示すcfPWV/faPWV比(cf-fa ratio)を評価したところ、本指標はcfPWV単独よりもCVDイベント、特に心不全のリスクとより強力な関連を認めました。
本研究結果は、中心動脈と末梢動脈のスティフネスが有する予後的意義の相違を明確にし、両者のバランスを考慮したcf-fa ratioが、高齢者のCVD、とりわけ心不全のリスク層別化において有用な代替指標となりうる可能性を示唆します。
本研究の遂行にあたり、ご指導いただいたKunihiro Matsushita教授、Yejin Mok先生をはじめとする留学先ラボの皆様、そして留学生活を支えてくれた家族に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
柴田龍宏先生、おめでとうございます!