芝尾昂大先生の論文がASAIO Journalにアクセプトされました!
2024.6.12
<タイトル>
Differential Hypoxia Risk in Cardiopulmonary Arrest Patients Undergoing Veno-Arterial Extracorporeal Membrane Oxygenation and IMPELLA Support
<雑誌名>
ASAIO Journal
<論文要旨>
VA-ECMOの使用は循環維持に有用である一方、後負荷が問題となり、経過の中で肺水腫を発症し、低酸素脳症や自己心の回復に悪影響を及ぼすdifferential hypoxiaを引き起こします。IMPELLAは循環補助に加えLV unloadingの効果を有し、心原因性肺水腫を改善させるにも関わらず、VA-ECMOとの併用中にdifferential hypoxiaの発生をしばしば経験しました。
そこで、本研究は心肺停止患者の管理に用いられるVA-ECMOとIMPELLAの併用が、心原性肺水腫およびdifferential hypoxiaに与える影響を調査したものです。2017年から2022年にかけて、VA-ECMOとIABPまたはIMPELLAを使用した心肺停止患者を対象とし、主要評価項目は、VAV-ECMOを必要とするdifferential hypoxiaの発生率でした。IMPELLA群ではVA-ECMO開始後96時間でVAV-ECMOへの移行が必要となるdifferential hypoxiaの発生頻度が多い結果でした。また、その原因は心原性肺水腫ではなく、胸骨圧迫による肺障害が寄与していると考察しており、心肺停止患者にIMPELLAを用いた急性期管理を行う際には、differential hypoxiaのリスクを考慮した管理が重要であると考えます。
VA-ECMOからVAV-ECMOへの切り替えを行なったり、「なぜIMPELLA使用中にdifferential hypoxiaが多く起きるのか」というクリニカルクエスチョンを当時のCCUメンバーで夜遅くまで話し合ったことを懐かしく思います。ご指導並びにご協力いただいた先生方に深く御礼申し上げます。
芝尾先生、おめでとうございます!