岡部浩太先生の論文がCirculation ReportsにPublishされました!
2026.10.1
岡部浩太先生(社会保険田川病院)の論文がCirculation ReportsにPublishされました。
[タイトル]
Gap between refractory symptoms or end-of-life care needs and eligibility for the palliative care fee in patients with end-stage heart failure: a single-center retrospective study in Japan
[雑誌名]
Circulation Reports
[論文URL]
[論文要旨および謝辞]
心不全診療に緩和ケアを統合することの重要性は、国際的なガイドラインでも強調されています。日本では、2018年4月の診療報酬改定で、緩和ケア診療加算の対象に末期心不全が加わりました。しかし、心不全患者における算定率は約1%にとどまると報告されています。本研究では、現行の算定要件が、難治性症状や終末期ケアのニーズを有する心不全入院を適切に捉えているかについて、後方視的に検証しました。
2018年4月から2022年3月までに多職種心不全チームが介入した心不全入院246件のうち、院内死亡、難治性呼吸困難に対するオピオイド使用、苦痛緩和のための鎮静のいずれかを認めた43件(39例)を対象としました。このうち、現行の算定要件をすべて満たしたのは20件(46.5%)にとどまり、半数以上が要件を満たしていませんでした。最大の要因は「過去1年以内に2回以上の予定外の心不全入院」という要件で、これを満たしたのは53.5%でした。この要件を除いた場合、適格率は86.0%に上昇すると推計されました。また、3つの必須要件のうち2項目以上を満たせばよいとした場合には、93.0%となりました。これらの結果から、臨床上のニーズと算定要件との間に大きな隔たりがあることが示唆されました。
三次医療機関における単施設の検討であり、限られた範囲のデータではありますが、心不全緩和ケアの普及に向けた一助となれば幸いです。
本研究を行うにあたり、様々な点でご指導をいただきました福本義弘教授、臨床面で手厚いサポートをいただいた心不全班の皆様、チームの運営を支えてくださった共著者の中島看護師に厚く御礼申し上げます。
心不全支援チーム(HST)は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどの多職種が能動的に関わって初めて、その力を十分に発揮できるチームです。HSTに関わっていただいた病棟の全職種・全スタッフ、ならびに緩和ケアチームの皆様に深く感謝いたします。
岡部先生、誠におめでとうございます!