本間丈博先生の2編の論文がそれぞれHeart & LungおよびBMC Cardiovascular Disordersにアクセプトされました!
2026.8.4
このたび本間丈博先生の2編の論文が、同日にそれぞれ【Heart & Lung】および【BMC Cardiovascular Disorders】へアクセプトされました。
以下、それぞれの論文をご紹介します。
■論文①
[タイトル]
Optimal timing for microaxial left ventricular assist device insertion during percutaneous coronary intervention in patients with cardiogenic shock requiring venoarterial extracorporeal membrane oxygenation: data from the Japanese registry for percutaneous ventricular assist device (J-PVAD)
[雑誌名]
Heart & Lung
https://www.heartandlung.org/article/S0147-9563(26)00147-0/abstract
[論文趣旨およびコメント]
急性心筋梗塞に伴う重症心原性ショックに対するECPELLA(VA-ECMO+Impella)治療では、ImpellaをPCI前に挿入すべきか、PCI後に挿入すべきかについて、十分なエビデンスがありません。本研究では、日本全国のImpella使用症例が登録されているJ-PVADレジストリを用いて、VA-ECMOを要した402例を対象に、Impella挿入時期と30日予後との関連を検討しました。その結果、PCI前のImpella挿入による30日死亡率の有意な改善は認められませんでした。一方で、PCI前にImpellaを使用する場合には、冠動脈再灌流を遅らせないことが重要である可能性が示されました。本研究は、重症心原性ショック患者に対するECPELLA治療の最適な治療戦略を考える上で、有用な知見を提供するものです。
近年、ImpellaをPCI前に使用することが予後改善につながるという報告があるなかで、より重症でECMOを使用する症例においても同様の結果が得られるのかという臨床的疑問から開始した研究でした。研究開始から論文完成までかなりの時間を要しましたが、無事に形にすることができました。論文執筆にあたり、ご協力いただいた先生方に深く感謝申し上げます。
■論文②
[タイトル]
Impact of transient return of spontaneous circulation and downtime on neurological outcomes following extracorporeal cardiopulmonary resuscitation for refractory out-of-hospital cardiac arrest: a single-center retrospective study
[雑誌名]
BMC Cardiovascular Disorders
https://link.springer.com/article/10.1186/s12872-026-06044-9
[論文趣旨およびコメント]
院外心停止(OHCA)に対する体外循環式心肺蘇生法(ECPR)の適応基準はいまだ確立されていません。本研究では、2016~2023年に当院でECPRを施行した65例を対象に、180日後の神経学的転帰に関連する因子を後方視的に検討しました。その結果、180日後の社会復帰率は27.7%であり、一過性自己心拍再開(transient ROSC)と短い心停止時間(downtime)が、良好な神経学的転帰と独立して関連することを明らかにしました。さらに、決定木解析を用いることで、一過性ROSCがありバイスタンダーCPRが実施された症例では良好な転帰が期待できる一方、一過性ROSCがなく、downtimeが49分以上の症例では良好な神経学的転帰が得られなかったことを可視化しました。本研究は、ECPRの適応判断において複数の予後因子を組み合わせた患者選択の重要性を示したものであり、今後の適応基準の最適化に寄与することが期待されます。
本研究は、私がCCUに在籍していた期間に取り組んできたECPRの治療成績をまとめたものです。昼夜を問わずともに診療に携わってきた当時のCCUメンバーをはじめ、本研究に関わってくださったすべてのスタッフの皆様に深く感謝申し上げます。
本間先生、誠におめでとうございます!