業績2023.03.24
循環器病センター外来の中島菜穂子看護師の論文がJournal of Clinical MedicineにAcceptされました!<タイトル>
肺血管拡張薬治療による下肢症状は弾性ストッキングにより軽減する
<雑誌名>
Journal of Clinical Medicine
<論文要旨>
肺動脈性肺高血圧症患者は肺血管拡張薬により加療されていますが、しばしば血管拡張作用による副作用を認めます。主な副作用として、頭痛、めまい、吐き気、下痢、筋肉痛、顎痛、紅潮、下肢痛などが挙げられますが、下肢症状は仕事や家事などの日常生活活動に大きな影響を与えます。
今回、下肢症状に対して、弾性ストッキングが有効かどうかを後ろ向きに検討しました。当科外来で安定して肺血管拡張薬による治療を受けている肺動脈性肺高血圧症患者10名を対象に、弾性ストッキング前後の症状をカルテから収集し、解析しました。
その結果、弾性ストッキング前後で、疼痛評価スケール、疼痛生活障害評価尺度が有意に改善しており、足が軽く靴を履くのが楽になった、仕事中の痛みが軽減し、買い物をして帰宅できるようになった、など、改善効果を認めました。その一方で、弾性ストッキンが履きにくい、足が蒸れる、などの訴えも認めました。全体として、肺血管拡張薬による下肢症状は軽減しており、今後は規模を大きくして検討する予定です。
中島看護師、おめでとうございます!